Claudeの「自動承認」は何が自動になるのか——AIは、自分が何を承認されたか知らない

Claudeの自動承認で何が自動になるのかを実際に試して確かめた記事のアイキャッチ。AIは自分が何を承認されたか知らない。 AIツール

Claude にブラウザを触らせると、「このサイトでの使用を許可しますか?」と聞かれます。これを自動で通す設定(自動承認)があります。

私はそれを使っています。正直、かなり楽になります。

ただ、あるとき「これ、実際には何が自動になっているんだろう」と気になって、同じ作業を自動と手動で1回ずつ試してみました。そこで出てきたのは、思っていたのと違うことでした。

AIは、自分が何を承認されたのかを知らない

そもそも、何を許可しているのか

Claude にブラウザを使わせると、作業の途中でこういう確認が出ます。

「Claude に ○○.com でのブラウザ使用を許可しますか?」

選べるのは3つです。一度だけ許可このウェブサイトでは常に許可する拒否

そして設定側にも、この確認をどう扱うかの選択肢があります。手動で承認自動承認すべての承認をスキップの3つです。

承認の選択肢が2階層あることを示した図。あらかじめ決めておく設定は、手動で承認・自動承認・すべての承認をスキップの3つ。その場で選ぶダイアログは、一度だけ許可・このウェブサイトでは常に許可する・拒否の3つ。設定が上、ダイアログが下という関係。

なぜこの設定があるのかは、使ってみるとすぐに分かりました。

私はプログラミングの専門家ではありませんが、Claude Code などの AI に、小さなプログラムを書いて実行してもらうことがよくあります。そのとき、10秒に1回くらいのペースで確認が出ることがあります。新しい命令を実行するたびに聞かれるからです。

そして、見ていないとそこで止まります。他のことをして戻ってきたら、最初の確認で止まったままだった、ということが何度もありました。

だから自動にしました。

自動にして、実際に楽になった

変わったのは、見ていなくても進むようになったことです。

以前は、依頼したあとずっと画面を見ていなければなりませんでした。今は、別のことをして戻ってくるとほとんど終わっています。

これは本当に楽です。この記事は「自動承認は危ないからやめよう」という話ではありません。私は今も使っています。

ただ、楽になった分だけ、何が省略されたのかが見えなくなりました。それを確かめたくなって、同じ作業を自動と手動で1回ずつやってみました。

内容はごく単純です。自分のブログ記事を1つ開いて、見出しを読み上げてもらうだけ。何も書き換えない、読むだけの作業です。

自動のときは、止まらずに終わりました。手動に戻して同じことを頼むと、確認のボタンが出ました。ここまでは想像どおりです。

ところが、AIの報告は「承認は0回」だった

手動で回したとき、作業が終わったあとで AI に聞きました。承認を求められた場面は何回ありましたか、と。

返ってきた答えは、「0回」でした。

でも、私の画面には確認のボタンが2回出ていました。私が自分で押しています。

これは、AI が嘘をついたという話ではありません。実は同じ報告の中で、AI 自身がこう書いていました。

手動承認のポップアップが私の側に出ていて、私がそれを押していたとしても、それは自分からは見えない——という趣旨のことです。

自分でそう書いていて、そのとおりだったということです。

つまり、AI の完了報告は、承認の記録ではありません。「確認は出ませんでした」と言われても、それは AI が見えていた範囲の話でしかない。実際に何回出たかは、自分の画面でしか分かりません

AIが見ている範囲と自分の画面のズレを示した図。AI側に見えていたものは、開いたページの中身と自分が作ったタブ。見えていなかったものは、2回出ていた承認ダイアログと、もともと開いていたタブ。AIの完了報告は承認の記録ではない。

AI から見えていないものは、他にもあった

同じ検証の中で、見えていないものがもう2つ出てきました。

開いてあったタブが見えていない。検証の前に、私はブラウザのタブを2つ以上開いておきました。「複数あるとき、どれを使うのか」を知りたかったからです。でも AI からは、そのどれも見えていませんでした。自分専用の枠の中しか見えない仕組みで、新しいタブを作ってそこを使っていました。

これ自体は、むしろ安心な話です。今開いているページを勝手に触られるわけではない、ということだからです。

もう1つは、逆でした。

読むだけでも、ログインしたまま動いている

自動のとき、AI が読み取った内容の中に、自分のブログの管理バーが入っていました

「こんにちは、○○さん」という表示。ログアウトのリンク。そして、その記事の編集画面へのリンク

これは、ログインしている人にしか見えないものです。つまり、公開ページを読むだけの作業でも、私のログイン状態がそのまま乗っていたということです。

管理画面には行っていませんし、そのリンクを押してもいません。ただ、触っていないのに、最初からそういう状態だった

しかもこれ、取り方によっては見えませんでした。同じページでも、本文だけを抜き出す取り方だと管理バーは入らない。ページの構造ごと取ると入る。見えない取り方をしているときも、繋がっていることには変わりがありません

許可は、押す前からONだった

ここまで来て、許可の設定がどこにあるのかを探しました。

見つかったのは、Claude の設定の中にある「サイトの権限」という画面です。そこを開いて、二つ、意外だったことがあります。

一つは、その時点の設定が「すべてのサイトを許可」になっていたこと。説明には「以下でブロックしたサイト以外のすべての場所で動作します」と書いてありました。つまり、許可が既定で、ブロックが例外です。

もう一つは、許可したサイトの一覧がないこと。あるのはブロックしたサイトの一覧だけでした。

これが少し困ります。私は以前、何度も調べるものがあったときに、「このウェブサイトでは常に許可する」を押したことがあります。でも、どこで押したのかを後から確かめる画面が、探した範囲では見つかりませんでした

そしてこの画面には、小さくこう書いてありました。この権限は、ブラウザ拡張だけでなく、Claude Code のデスクトップアプリや、別の機能の組み込みブラウザにも適用される、と。

設定は別々に見えて、権限は1つに集約されていました

ちなみに私は、この画面を見て「自動承認にしたから全部許可になったのかな」と思いました。でも、もともとそうだったのか、自動にしたからそうなったのかは、確かめる方法が見つかりませんでした。この画面には、個別の記録が出てこないからです。

では、どうしておくといいのか

今回分かったことから、四つだけ書いておきます。

完了報告を、承認の記録として読まない。「確認はありませんでした」は、AI が見えていた範囲の話です。実際に何回出たかは、自分の画面でしか分かりません。

自動にする前に、一度手動で通してみる。手動だと、確認の画面に「何を許可するのか」が書いてあります。自動にすると、その文面ごと見えなくなります。

「常に許可する」を押した場所は、自分で覚えておく。後から一覧で確かめる画面が、少なくとも私には見つけられませんでした。

読むだけの作業でも、ログイン状態は乗っている。「見るだけだから安全」とは言い切れません。

それでも私は、自動承認を使っている

ここまで書いておいて何ですが、私は今も自動承認で使っています。

10秒に1回出る確認を全部読むのは、現実的ではありません。実際、手動のときも、何回も調べるものがあるときは「常に許可する」を押していました。これは意志の問題ではなく、回数の問題だと思っています。回数が増えれば、人は読まなくなります。

だから、どこまでを自動にするかではなく、どこだけは自動にしないかを決めることにしました。

私の場合、困るのは共有で使っている資料を消されることです。自分だけが見るものなら、壊れても直せます。でも他の人も見るページは、消えたことに気づくのが遅れます。

だから、公開や送信、そして共有されているものを消す操作だけは、自分で押す。それ以外は自動でいい。

以前、自動化について「全部を目指さなくていい」と書きました。あのときは、失敗しても止まらない仕組みの話でした。今回は、承認されたのに、承認されたことを知らないまま進む話です。形は同じだと思います。

自動にすること自体は、悪いことではありません。ただ、自動にすると、どの確認が通っていたのかが分からなくなります。手動なら画面に出ていた「何を許可するのか」の文面ごと、通り過ぎることになるからです。

一度だけ中身をのぞいておくと、どの承認が省略されるのか、そこにどんなリスクがあるのかが見えてきます。全部が分かったわけではありません。それでも、どこを自分で押すかを決めておけば、残りは任せていいと思っています。皆さんも一度、自分の設定を確認してみてはいかがでしょうか。


この記事の書き方について

この記事はAIと一緒に書いています。試したこと・詰まったこと・確かめたことは、すべて私自身の体験です。それを読みやすい形にする作業をAIに手伝ってもらい、公開前に自分で事実を確認しています。

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